職場にWi-Fiがないなんてありえない?
導入のメリットと注意点を解説

2023.06.08
2024.11.07

企業のWi-Fi普及率

引用:総務省 無線LANサービス提供者の実態調査

令和3年の時点で、社内にWi-Fi(無線LAN)を導入している企業は全体の「約80%」とかなりの割合でWi-Fiが使われていることがわかります。私自身、多くのお客様先に訪問してネットワークを見て来ましたが「Wi-Fiがない」環境は1割にも満たないほどです。それだけ企業のWi-Fiというのは当たり前になっていてます。それもそのはず、今やノートPCやスマホ、タブレット、プリンターなど様々な機器がWi-Fiに対応していて逆に有線LANには非対応なんて機器も中にはあるのです。使う機器も徐々にWi-Fi環境が前提になりつつあります。

さらに、テレワークなど働き方の幅が増えたことでZoomなどのオンラインミーティンソフトでの商談や打ち合わせが主流となりつつあります。そうなると社内の会議室など自分のデスクではない別室でのインターネット利用が想定されます。その為、周りの環境に遅れをとる前に早めのWi-Fi導入が望ましいと言えます。

【メリット】Wi-Fiがあるとできること

LANケーブルが無くてもネットが利用できる

1番のメリットはやはり「LANケーブルが無くてもネットが利用できる」というところでしょう。有線LANの場合、あらかじめ決めた場所にLANケーブルを配線しておかなければなりません。その為、配線済みのLANケーブルが届く範囲でしかインターネットは利用できないのです。

Wi-Fiがあれば、LANケーブルが届かなくてもインターネットが利用できるので自分のデスクだけではなく、会議室や様々な場所で効率的にお仕事することができます。例えば、Zoomなどでのオンラインミーティングをする場合、自分のデスクだと周りの音や声が入ってしまったり人が映り込んでしまい相手に不快感を与え、内容もダダ漏れになってしまいます。この時にWi-Fiさえあれば、別のお部屋でオンラインミーティングできるので問題を全て解消できます。

LAN配線が必要最低限に抑えられる

YAMAHAのアクセスポイント(画像手前)

LAN配線はどうしても本数が増えがちです。そうなると「ケーブルだらけでぐちゃぐちゃで汚い!」なんてことになります。見た目だけの問題ではなく、ケーブル配線の場合デメリットがいくつかあります。例えば…

  • ケーブルの劣化、抜け、断線などのトラブルが起きやすい
  • 追加で配線する場合、料金と時間がかかる
  • 来客用のインターネットを用意しづらい

など、LANケーブル特有の問題をWi-Fiの導入することで、LANケーブル配線を最小限に抑え解消できます。

様々な端末で気軽にネットを利用できる

今やPCだけではなくスマホやタブレットを業務で利用される機会が増えました。そこでキャリア通信のみの場合、すぐに通信制限にかかってしまったり余計な料金がかかってしまうことが予想されます。Wi-Fiでの通信であればキャリア通信に負担をかけずにインターネットを利用できるので、これらの問題を解消できます。

さらに、従業員が休み時間にWi-Fiを使いたいという声も多く聞きます。従業員の満足度が上がれば仕事の効率も上がることがあるので一石二鳥ですね。

ゲストWi-Fiの設定をすれば来客用にWi-Fiを提供できる

あらかじめゲストWi-Fiを設定していれば、来客があった際に訪問者にインターネットを提供することができます。今の時代はリアルな商談にもノートPCやタブレットを使うことが多くなりました。慣れている人であればポケットWi-Fiやスマホのテザリングでインターネットを自分で賄うことができるかもしれませんが、ゲストWi-Fiを用意しておいた方が親切ですよね。訪問者へのサービス向上は会社のイメージアップにつながります。

【注意点】企業のWi-Fi導入で気をつけるべきこと

Wi-Fiはいいことだらけですが、注意しないといけないこともありま。あらかじめ確認しておくことでトラブルを回避できるのでご紹介します。

セキュリティーリスクの把握と対策

Wi-Fiは目に見えないだけで基本的に有線LANケーブルと同じ経路でインターネットを使っています。その為、マルウェア感染や不正アクセス、サイバー攻撃の被害を受ける可能性はゼロではありません。最近では家庭向けWi-Fiルーターの脆弱性をついて不正アクセスをするようなサイバー攻撃が横行しています。Wi-Fiを導入する前にまずは社内ネットワークの環境を確認し、セキュリティー対策の見直しをすることが重要です。ネットワークのセキュリティー強化なら「UTM」がおすすめです。

関連ページ:UTMはもう古い?流行のセキュリティと比較して解説

会社の環境や規模の把握

Wi-Fiの機器には様々モデルがあり、金額帯によって電波の届く範囲や同時接続台数が変わって来ます。そのため事前にWi-Fiを導入する建物の環境や接続する台数などを把握する必要があります。最低限、以下のことには気をつけましょう。

  • 同時に接続する機器の台数を確認してお
  • 会社の広さを把握してお
  • 壁や床などの遮蔽物を確認しておく
  • 電子レンジなどの電波干渉するような物も把握しておく

このあたりの事をしっかりと把握しておくことで後悔のないWi-Fiの導入ができるでしょう。

目的や環境、規模に合った機器選定

上述で説明した延長ですが、確認した環境などをまとめてからWi-Fi機器の選定をしましょう。Wi-Fiの機器は様々なメーカーから多くの機種が販売されています。一般家庭用なら家電量販店でも購入できますが、会社で使うのには向いていません。なぜなら名前の通り「家庭向け」だからです。セキュリティーや性能の高さに違いがあるので、むやみに家庭向けモデルの機器を導入するのは控えましょう。

会社に導入するなら「法人向け」モデルがおすすめです。家電量販店などには販売されていないので気軽には手に入りませんが、性能やセキュリティーに関しては間違いありません。柔軟性も高く、ゲストWi-Fiをはじめとした細かい設定が可能です。耐用年数も高く、コスパも高いので会社なら「法人向け」一択です。

関連ページ:法人向けルーターは個人向けと何が違う?おすすめの機器も解説

初期設定はしっかりと

Wi-Fiの機器は初期設定の段階でセキュリティーやインターネットの設定を行います。そこでよくわからないまま設定を進めてしまうとWi-Fiの電波は繋がるのにインターネットは利用できない、パスワードが初期値のままなどのトラブルになります。最近では簡単な物も増えましたが、そういったモデルは家庭向けの簡易的な機器が多く、あまりおすすめできません。しっかりとしたWi-Fi機器をしっかりと使うならIT専門の業者に依頼することをおすすめします。

おすすめのWi-Fi機器

ルートシステムがおすすめするアクセスポイント(Wi-Fi機器)をご紹介します。

YAMAHA WLXシリーズ

WLXは、企業や学校、医療機関、ホテルなど、さまざまな施設で使用される、高性能なワイヤレスLANアクセスポイントです。WLXアクセスポイントは、IEEE 802.11ac規格に対応しており、最大1.3Gbpsの高速データ伝送が可能です。また、高密度なユーザー環境でも、スムーズな通信を実現するための機能が搭載されています。さらに、セキュリティ機能も充実しており、企業などで必要な機能や規格に対応しています。

WLXアクセスポイントは、スリムなデザインで、天井や壁に設置することができます。また、PoE(Power over Ethernet)に対応しているため、電源コンセントの設置が不要で、シンプルな設置が可能です。ヤマハのWLXアクセスポイントは、高速かつ安定したWi-Fi環境を提供するために設計されており、ビジネス環境でのワイヤレスネットワーク構築に最適です。

製品紹介ページ:YAMAHAアクセスポイント(Wi-Fi)

Cisco Catalystシリーズ

Cisco Catalystスイッチは、高性能、信頼性、セキュリティ、スケーラビリティを提供することで知られています。これらのスイッチは、イーサネットベースのネットワークでのデータ転送を制御し、ネットワークトラフィックの管理とセキュリティの強化をサポートします。

また、Cisco Catalystシリーズには様々なモデルやラインナップがあります。一部の一般的なモデルには、Catalyst 9000、Catalyst 8000、Catalyst 6000、Catalyst 4000、Catalyst 3000などがあります。これらのモデルは、異なる規模やニーズに対応するために設計されており、スイッチング機能だけでなく、セキュリティ、パフォーマンス最適化、モニタリングなどの機能を備えています。

さらに、Cisco Catalystスイッチは、高度な機能や管理オプションを備えており、企業のネットワーク要件に合わせたカスタマイズが可能です。さまざまなインターフェースやポート密度、パワーオプション、管理機能などの選択肢があります。

Wi-Fiがない企業はぜひ早めの導入を

正直、Wi-Fiがない企業はITの面ではやや遅れている気がします。というのもスマホやタブレット、IoT機器の普及で一般家庭でさえもWi-Fiがあるのが当然になっているからです。新入社員が入社した際に「自宅にはWi-Fiがあるのに会社にはWi-Fiがない」というギャップに驚いてしまうかもしれませんね…現代社会はここ数年で「DX」や「テレワーク」などのITの進化が急激に加速しています。そういったITの進化に少しでもついていけるように、できることからしていきましょう!

ルートシステムではITに携わり30年、蓄積したノウハウと最新の技術であなたの会社のITをサポートします。まずはお気軽にお問い合わせください。