クラウドとは?メリットや仕組みを
わかりやすく図解で解説
そもそもクラウドとは?
クラウドとは、インターネット上にある複数のサーバーを集約し、必要に応じて自由に利用できるサービスのことです。細かく話すと専門用語だらけになってしまうので簡単にまとめると、インターネット上にある「雲(クラウド)」からいつでも必要な分だけ、アプリケーションを動かすためのサーバーや、データを保存するためのストレージなどを利用できるサービスのことです。みなさんが何気なく利用しているサービスもクラウドを使って動いているかもしれませんね。このようなクラウドサービスの利用によって、コスト削減や柔軟性の向上、リソースの効率的な利用など、多くのメリットが生まれます。
現在では企業をはじめ、個人でも利用されるほど社会に浸透しています。例えばスマホ内のデータのバックアップや画像・動画などデータの共有・保存の用途で活用されています。目に見えないのでわかりづらいのですが、身の回りのいろいろなサービスで使われています。
関連ページ:クラウドでどこでも安全にデータの共有を実現
クラウドのメリット
では次にクラウドのメリットをご説明します。
初期費用が抑えらる
従来の「オンプレミス」と呼ばれる実機を社内に設置するパターンの場合、まず機器を購入するための費用がかかります。ですがクラウドの場合は月額性、従量課金性(使った容量を支払う)がほとんどで、ネット上で契約さえしてしまえばすぐに利用できるため、機器を購入する必要がなく初期費用を大幅に抑えることができます。契約自体も簡単で、契約から利用までに1時間もかかりません。
どこからでも利用できる
インターネット上で利用するサービスなので、ネット環境さえあればいつでも自由に利用することができます。そのため、テレワークや社員同士でのデータ共有をするには最適です。クラウドじゃなくても同じようなことはできますが、社内の共有データにアクセスするためには「VPN」という機能を持った機器を購入する必要があります。そのため、費用や管理コストがかかってしまいます。設定もクラウドほど簡単ではないので、何かあるたびに専門の業者に依頼する必要があります。
拡張性の幅が広い
サーバーなど使っていく内に「やっぱり容量は大きいのを買えばよかった」など思ったことはありませんか?オンプレミス(実機)の場合、途中から機能や容量を増設するには限界があります。クラウドの場合はいつでもスペックの変更や機能の追加が可能です。契約内容を変更すればすぐに適応されます。運用していく上でその時に応じた変更が柔軟にできるので、導入時に無駄にオーバースペックを選ぶようなミスなども回避できます。本当に「雲」のようですね。
機器故障などの緊急事態が起きない
サーバー機を社内に置く場合、急な機器故障などトラブルがいつ起こるかわかりません。クラウドの場合、インターネット上で利用するため「機器が壊れて使えなくなる」というようなトラブルは起きません。心配事が1つ消えるわけです。さらに、オンプレミス(実機)の場合は修理費用もかかります。クラウドなら修理自体必要ないので費用が発生することはありません。
クラウドのデメリット
クラウドのメリットを紹介しましたが、いいところだけではありません。デメリットも理解した上で導入しましょう。
ランニングコストが膨らむ可能性
初期費用は抑えられるのですが、利用し続ける限り月額費用が発生するので月日が経つほどコストは膨らみます。場合によっては従量課金で多額の請求が来ることもあります。理解した上で利用しましょう。
ログイン情報などの管理は必要
オンプレミス(実機)より設定や管理は簡単になりますが、どうしてもログイン情報だけは管理しなければなりません。ログイン情報を粗末に扱うと不正アクセスや情報漏洩につなが離ます。各従業員のログイン情報は常に最新の情報を控え、適切な管理方法を徹底周知する必要があります。
最近だとログイン情報の一元管理ができるサービスがあるので、情報管理に不安がある方にはおすすめです。
関連ページ:ログイン情報管理を一元管理?シングルサインオンとは
クラウドの仕組み【図解】
クラウド上で行った操作や保存したデータはすべてデータセンターにあるサーバー機に保存されます。このデーターセンターは世界のどこかにあり、公開は基本的にされていませんがクラウドを使うたびにここからデーターを出力したり保存したりするわけです。クラウドはよく「雲」に例えられますが、その実態は世界のどこかのデータセンターということですね。
クラウドの種類
クラウドの中にはいくつか種類があります。
IaaS
「IaaS」はInfrastructure as a Serviceの略称で、「イアース」「アイアース」と呼ばれています。ネットワークインフラやハードウェアを提供するサービスで、最も柔軟性の高いクラウドサービスです。OSやスペックなど自由に設計できるため、自社にピッタリのサービスを選ぶことができます。その反面、インフラ設計や管理、セキュリティ対策を全て自分で行わなければなりません。専門の知識が必要になってくるので、難しい場合は専門業者に依頼しましょう。
PaaS
「PaaS」はPlatform as a Serviceの略称で、「パース」と呼ばれています。「IaaS」は柔軟生の高いクラウドサービスでしたが、「PaaS」の用途は主にアプリケーション開発や運用です。そのためのミドルウェアやデータベースなどの開発環境が元々構築されているので、アプリケーション開発者が1から環境を設計・構築する必要がなく、アプリケーション開発に専念できます。柔軟性という意味では「IaaS」に劣りますが、アプリケーション開発にはピッタリなクラウドサービスです。
SaaS
「SaaS」はSoftware as a Serviceの略称で、「サース」と呼ばれています。ソフトウェアやサービスをインターネット上で利用できるサービスのことで、利用者がPCなどにソフトウェアをインストールする必要がなく、どこでも利用できるところが特徴です。「SaaS」のソフトウェアやサービスは提供元が常に最新の状態を保ち、メンテナンスや管理、セキュリティ対策をするので、利用者が状態の管理をする必要はありません。身近なもので例えるとクラウドストレージやビデオ会議サービスなどが「SaaS」にあたります。
クラウド選びのポイント
クラウドを選ぶ際に注意すべきポイントを紹介します。
用途に適したサービス選び
クラウドの種類は様々で、プランによってできることや費用が大きく変わってきます。自社にどの程度のサービスが必要なのかを把握し、都合の良い費用でカバーできるサービスを選ぶことが重要になります。後からサービスを変更・追加できるクラウドも多いのですが、大元のプランで選定ミスをしてしまうと変更が難しいこともありますので、1度は専門の知識を持った業者などに相談する方が得策です。
使いやすさ
クラウドサービスによってインターフェース(操作画面の見た目)や機能が異なります。そのため、利用者に年配の方が多いなどの状況に応じた配慮が必要です。中には日本語版が普及していないサービスもあるため、事前の確認が必須です。
セキュリティ対策の強さ
セキュリティには特に注意が必要です。どのクラウドサービスもある程度はセキュリティ対策を講じていますが、過去に情報漏洩などの被害事例があるサービスは利用を考えた方が良いかもしれません。会社の重要なデータをクラウドに置く場合はアクセスするインフラなども確認することをおすすめします。
利用料金
サービスによって月額制、従量課金制など費用形態が様々です。自社がどれだけの容量を利用し、どれだけの時間アクセスするかなどを想定し、サービスやプランを選ぶことが重要です。
おすすめのクラウドサービス
おすすめのクラウドサービスをいくつか抜粋して紹介します。
AWS EC2
AWS EC2(Amazon Elastic Compute Cloud)は、Amazon Web Services(AWS)が提供する、仮想サーバーをクラウド上で提供するサービスです。AWS EC2を利用することで、ユーザーは必要な数の仮想マシン(EC2インスタンス)を起動し、自由にアプリケーションを実行することができます。さらに、ユーザーが必要に応じてスケールアップ・ダウンができるため、ビジネスの変化に迅速に対応することができます。また、多くの種類のインスタンスタイプを提供しており、CPU、メモリ、ストレージなどの性能を柔軟に選択できるため、異なるアプリケーションやワークロードに最適な環境を作ることができます。
AWS EC2は、オンデマンド・リザーブド・スポットなどの様々な料金体系を提供しており、コスト削減にも貢献します。様々な企業や組織が利用しており、Webサイトやアプリケーションのホスティング、バッチ処理、ビッグデータ分析、人工知能の学習など、多岐にわたる用途で活用されています。
関連ページ:AWS EC2
Box
ファイルをオンライン上で保存・共有することができます。Boxは、Google DriveやDropboxなどの他のクラウドストレージサービスと同様、ファイルのアップロードやダウンロード、共有リンクの作成などが可能です。Boxはビジネス向けにも利用されており、セキュリティ面に配慮した機能や、企業内でのコラボレーションに必要な機能が充実しています。また、BoxはAPIを提供しており、開発者がBoxを組み込んだアプリケーションを開発することもできます。Boxは、クラウドストレージサービス市場での存在感が高く、多くのユーザーや企業が利用しています。
関連ページ:ファイルサーバー
Googlw workspace
Google Workspaceは、Googleが提供するクラウドベースのビジネス向け生産性向上ツールです。Google Workspaceは、Gmail、Googleカレンダー、Googleドキュメント、Googleスプレッドシート、Googleプレゼンテーション、Google Meetなどのアプリケーションを含んでおり、ビジネスの様々なニーズに応えることができます。
Google Workspaceは、複数のユーザーが同時に編集できるドキュメントやスプレッドシートを作成することができ、チームのコラボレーションを効率化することができます。また、Google Meetを利用すれば、ビデオ会議やオンラインミーティングを簡単に行うことができます。
さらにGoogle Workspaceは、Googleが提供するGmail、Googleカレンダー、Googleドライブ、Googleドキュメントなどのアプリケーションを統合し、ビジネス向けにカスタマイズされた機能やセキュリティを提供しています。Google Workspaceを利用することで、企業は従来のオフィス環境からの移行を促進し、生産性を向上させることができます。また、Google Workspaceは、定期的に更新され、新しい機能が追加されるため、常に最新のビジネスツールを利用することができます。
関連ページ:Google Workspaceで何ができる?おすすめの使い方と事例を解説
時代はクラウドへ、早めの導入と適応でDXに!
いかがでしたでしょうか?クラウドのこと、少しでもわかってもらえましたか?この記事だけだと説明しきれないほど、クラウドの世界は細かいのでもしわからないところがあったらすみません…今現在、大手企業の90%がクラウドを利用しています、しかし中小企業ではまだまだ発展途上です。いずれはクラウドがさらに普及し「当たり前」になる時代は必ずやってきます。その時のために、今のうちからクラウドの導入を検討する必要があるかのかなと思います。まずは小さなことからでもDXの一環としてクラウド化してみてはどうでしょうか?自社でまずクラウド化したのが「スケジュール共有」でした、比較的とっつきやすく、費用もそこまでかからないのでおすすめです。
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