IT導入補助金とは?パソコン購入は可能?
対象項目や申請方法を解説

2023.07.06
2024.11.07

IT導入補助金とは

IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者等がITツールを導入する際に、導入費用の一部を補助する制度です。

テレワークの推進やIT導入による事業効率化が加速し、ITツールの需要は増加傾向にあります。しかし、会計ソフトやネットワークシステム、セキュリティ対策導入費用やPC購入費用は、中小企業や小規模事業者にとって大きな負担になりますよね。そんな時に頼りになるのが、国の中小企業への支援政策です。今回紹介する「IT導入補助金」などの助成金を活用し、負担を軽減しつつ職場にとって適切なIT環境を導入しましょう。

2023年度は、通常枠、セキュリティ対策推進枠、デジタル化基盤導入枠の3つの枠が設けられていて、それぞれに助成対象、補助率等が異なります。

どんな人が対象?

中小企業者、小規模事業者、個人事業主が対象です。
また、さらに小規模な農業、漁業経営体も対象となっています。

事業規模が小さな会社の、発展ステージに合わせた支援を行うことが目的の制度なので、
上場企業、大企業、国・地方公共団体は申請することができません。
また、公益法人、宗教法人、政治団体、特定非営利活動法人(NPO法人)や、
社会福祉法人、医療法人、学校法人も申請することが出来ない為、注意が必要です。

肝心の補助率とその金額

前述の通り、2023年度のIT導入補助金には3つの枠が設けられていて、それぞれに補助率は異なります。

・通常枠:補助率1/2
通常枠は会計ソフトをはじめとしたITシステムを導入する際に利用でき、その規模に応じてA型とB型にわけられます。
導入費用の規模が50万円以下の場合はA型、50万円を超える場合はB型となります。ただし、最大補助金額は450万円までとなります。
補助率は1/2で、補助上限は最大450万円までです。

・セキュリティ対策推進枠:補助率1/2
セキュリティ対策推進枠はファイアウォール等の、セキュリティ対策ツールを導入する際に利用できます。また、サービス利用料の最大2年分の補助申請が可能です。申請可能なセキュリティサービス「サイバーセキュリティお助け隊」は中小企業向けの各種サービスをワンパッケージにした安価なもので、IT社会の進展と健全な発展を推進することを目的とした情報処理推進機構が登録・公表しているサービスなので、安心ですね。
補助率は1/2で、補助上限額は最大100万円までです。

デジタル化基盤導入枠:補助率 3/4 or 2/3  (ハードウェアは1/2)
デジタル化基盤導入枠は、PC本体やサーバといったIT環境を整備する際に利用できるほか、会計ソフトや受発注ソフトにも利用可能です。またクラウドサービスの利用料を最大2年間分を補助申請することができます。
補助率は補助対象と補助額に応じて変化するので注意が必要です。
まず、ハードウェアに対しての補助についてですが、PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機器はそれぞれ個別に、補助率が1/2、補助上限額が10万円となります。また、レジ・券売機等については補助上限額が20万円まで可能です。
その他のソフト導入については、補助額が50万円までは3/4の補助率、補助額が50万円を超えた場合は2/3となります。
合計の補助上限額は最大350万円です。

対象となる項目

IT導入の際に生じる、様々な費用が対象となります。
ソフトウェアやハードウェアの購入費用はもちろん、他社システムとの連携費用や導入費用(コンサルティング、研修、保守・運用費用)も対象となります。
ただし、既存のシステムの改修や、買い替えに伴う費用、消耗品や備品などの費用、人件費、広告宣伝費は対象外です。

【結論】IT導入補助金でパソコンは購入できる?

もちろん、可能です。デジタル化基盤導入枠で補助を申請することができます。ただし通常枠、セキュリティ対策推進枠ではハードウェアに対する補助金を申請することができないため、注意しましょう。また、パソコンをはじめとしたハードウェアを購入する際は、必ずセットでソフトウェアを購入する必要があり、購入先も同一の登録済みIT導入支援事業者である必要があります。まずは、IT導入支援事業者に相談して、どのような形で導入するか決めましょう。

補助金を利用したパソコン購入の具体的な流れ

実際にパソコンを購入して、補助金を申請する場合は以下のような流れになります。

  1. 交付決定後にITツールの契約と申込を行う
  2. 納品
  3. 請求・支払い

IT導入補助金の申請方法

具体的な流れとしては以下の通りです。

  1. IT導入支援事業者を探す
  2. ITツールを選定する
  3. 交付申請を行う
  4. 補助事業を実施する
  5. 実績報告書を提出する
  6. 補助金交付の手続きを行う
  7. 事業実施効果報告を行う

複数の手続きを行う必要がありますが、IT導入支援事業者の手助けもあります。わからないことがあればIT導入支援事業者と相談して、手続きを進めましょう。

申請に必要な書類や手続きについて

IT導入支援事業者の選定、ITツール導入の目途が立ったのち、事業主が交付申請前に必ず行う必要がある手続きが3つあります。

・「gBizIDプライム」アカウントの取得
 交付申請の要件には「gBizIDプライム」アカウントが必要となります。発行に2週間ほど必要なの
 で、早めの申請手続きが肝心です。

・「SECURITY ACTION」の実施
「SECURITY ACTION」は、事業主が情報セキュリティ対策を宣言する制度です。交付申請には「★一つ星」または「★★二つ星」の宣言が必要です。

・「みらデジ」の「経営チェック」の実施
みらデジは、事業主の経営課題をデジタル化により解決することをサポートする制度です。みらデジポータルサイト内にgBizIDで登録し、「経営チェック」を実施する必要があります。

この3つの手続きは、第一に「gBizIDプライム」アカウントが必要となりますので、申請手続きをまず行って、その後、IT導入支援事業者と一緒に手続きを進めましょう。

申請書の作成方法や提出先

IT導入補助金の申請書は、IT導入支援事業者から申請マイページの招待を受け、代表者氏名等の申請者基本情報を入力することで作成することができます。
申請書作成後に、交付申請に必要となる情報入力・書類添付を行い、IT導入支援事業者にて、導入するITツール情報、事業計画値を入力します。
申請マイページ上で入力内容の最終確認後、申請に対する宣誓を行い事務局へ提出します。

申請書の提出先は、IT導入補助金事務局です。申請書の提出方法は、電子申請のみとなります。
電子申請の詳細については、IT導入補助金事務局のホームページをご覧ください。

IT導入補助金のメリットと注意点

IT導入補助金は、日本全国で利用可能であることが一番のメリットです。パソコンをはじめとしたIT機器の導入に関する補助制度は、地方自治体が実施しているものが多いため、利用できる企業は限られます。その点、IT導入補助金は、日本全国どこからでも応募可能である点が、大きなメリットです。

IT導入補助金をパソコン購入に活用する際に、特に注意すべき点は以下の三点です。

  1. パソコン販売業者が「IT導入支援事業者」に登録されているか確認する
  2. パソコンとソフトウェアをセットで購入する
  3. デジタル化基盤導入枠で申請する

適宜、IT導入支援事業者と相談して申請を進めましょう。

IT導入補助金のメリット

IT導入補助金のメリットとしては以下のことが上げられます。

  1. 初期費用を抑えることができます。
  2. 業務効率化や生産性の向上が期待できます。
  3. 顧客管理やマーケティングの強化につながる可能性があります。
  4. テレワークや在宅勤務の導入が可能になります。
  5. セキュリティ対策の強化が期待できます。

このように、業務全体に複数のメリットを全体的に促進することができる点が、IT導入補助金のメリットです。かなり大規模な経営戦略の刷新を伴いますが、IT導入化による経営規模の拡大は魅力的です。

申請や運用上の注意点や制約

注意点は以下のとおりです。

  1. 補助金の申請には、審査があります。
  2. 補助金の対象となるITツールには、制限があります。
  3. 補助金の受給には、一定の条件を満たす必要があります。
  4. 補助金の受給には、期限があります。

IT導入補助金は、中小企業にITシステムを導入することで企業活動を支援することが目的ですので、
単にパソコンやサーバのみの導入には適応されないので、注意が必要です。
利用可能かどうか、も含めてもしわからないことがあれば、ぜひルートシステムにご相談ください。

他に利用できそうな補助制度

テレワークの導入を検討しているのであれば、厚労省の人材確保等支援助成金(テレワークコース)の利用を検討することもおすすめです。本年度よりテレワーク用端末であるPCやタブレットも助成対象となりました。

人材確保等支援助成金(テレワークコース)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/telework_zyosei_R3.html

IT導入に関する補助制度は、地方自治体が主体となって行っているものが多数あります。

・東京都 テレワーク促進助成金
とくに事業規模が小さな企業に対して補助率が高く、都内の小規模事業者におすすめの支援制度です。

東京都 テレワーク促進助成金

https://www.shigotozaidan.or.jp/koyo-kankyo/joseikin/telesoku.html

・京都府京都市 多様な働き方推進事業費補助金(テレワークコース)
東京都の補助と同様に、小規模事業者におすすめの支援制度です。

京都府京都市 多様な働き方推進事業費補助金(テレワークコース)

https://www.pref.kyoto.jp/rosei/teleworkhojo.html

・神奈川県横浜市 中小企業デジタル化推進支援補助金
横浜市内の中小企業向けの補助金制度です。IT導入を検討している横浜市内の企業におすすめです。

神奈川県横浜市 中小企業デジタル化推進支援補助金

https://www.city.yokohama.lg.jp/business/kigyoshien/keieishien/capex/it-iot.html

IT導入補助金について難しくてわかりづらい!という方は…

IT導入補助金はメリットこそあるものの仕組みや申請方法が複雑です。自社に担当者や専門知識を持った方がいない場合は全ての流れが完了するまでに時間やコストがかかってしまいます。弊社ルートシステムならIT導入補助金の申請のお手伝いから機器の導入まで、幅広くサポートしています。まずはお気軽にご相談ください!