NASとは?
外付けHDDやクラウドとの違いを解説
NASとは何か
NASの概要
NASとは、NASサーバーのことであり、コンピューターネットワークに接続して使用することができるストレージ機器で、ファイルサーバーの一種です。専用のOSを搭載し、RAIDやミラーリングなどのデータ保護機能を備えていることが多く、複数のクライアントが同時にアクセスしてファイルを共有することができます。また、インターネット経由でのアクセスも可能で、リモートからでもファイルのやり取りができるため、ホームユーザーから企業まで幅広い用途で利用されています。
NASサーバーの利点
ファイル共有が容易
複数のクライアントから同時にファイルにアクセスできるため、ファイル共有が簡単に行えます。
データ保護機能が充実
RAIDやミラーリングなどのデータ保護機能を備えているため、データの損失や破損を防ぐことができます。
大容量ストレージが利用可能
外付けHDDと比較して、大容量のストレージが利用できるため、多数のファイルを保存することができます。
セキュリティ性が高い
ユーザーアカウントやパスワードによるアクセス制御が可能であり、セキュリティ性が高いです。
外付けHDDとの違い
外付けHDDの概要
外付けHDD(ハードディスクドライブ)は、コンピューターに接続して使用することができるストレージデバイスの一種です。外付けということから、本体と別にケーブルを介して接続することができます。内蔵HDDと比較すると、取り外しやすく、持ち運びにも便利です。また、容量も小型のもので数百GB程度から、大型のもので数TBにもなるものまで様々な種類があります。外付けHDDは、ファイルのバックアップや保存、移動に利用され、多くのユーザーに利用されています。
外付けHDDの利点と欠点
外付けHDDの利点
- 手軽に使用できる
- 持ち運びができる
- 大容量ストレージが利用可能
- コストが比較的低い
外付けHDDの欠点
- 故障のリスクがある
- ポータブル性が裏目に出る場合がある
- 電源を別途必要とする場合がある
- バックアップが不十分な場合がある
外付けHDDとNASサーバーの違い
機能性
外付けHDDは、基本的にはパソコンのストレージ容量を増やすために使用されます。一方、NASサーバーは、ネットワークに接続して、複数の端末からデータの共有やバックアップができるように設計されています。
サイズ
外付けHDDは、一般的に小型でコンパクトなものが多く、持ち運びに便利です。一方、NASサーバーは、多くの場合、一定のサイズが必要となり、持ち運びには向いていません。
ネットワーク接続
外付けHDDは、直接パソコンに接続することが前提であり、ネットワーク上での共有には向いていません。一方、NASサーバーは、イーサネットポートを備えており、ネットワークに接続して複数の端末からアクセスすることができます。
バックアップ機能
外付けHDDには、バックアップソフトウェアが付属している場合がありますが、NASサーバーには、多くの場合、データのバックアップ機能が備わっています。
セキュリティ機能
外付けHDDには、一部に暗号化機能が備わっている場合がありますが、NASサーバーには、多くの場合、高度なセキュリティ機能が備わっており、外部からの不正アクセスに対する防御性能が高いといえます。
クラウドストレージとの違い
クラウドストレージの概要
クラウドストレージは、インターネット上のサーバーにデータを保存する技術です。利用者は、クラウドストレージサービスを契約し、自分のデータをサーバーにアップロードすることで、いつでもどこでもインターネットに接続されているデバイスからデータにアクセスできるようになります。クラウドストレージは、外付けHDDやNASサーバーと比較して、大容量のデータを保管できる、安全にデータを保存できる、いつでもどこでもアクセスできるなどの利点があります。ただし、利用料金がかかることや、インターネットに接続されていない場所ではデータにアクセスできないといった欠点もあります。
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クラウドストレージの利点と欠点
クラウドストレージの利点
- 大容量のデータを保存できる
- 安全にデータを保存できる
- いつでもどこでもアクセスできる
クラウドストレージの欠点
- 利用料金がかかる
- インターネットに接続されていない場所ではアクセスできない
- データがクラウドストレージサービスに預けられるため、プライバシーやセキュリティに関する不安がある
クラウドストレージとNASサーバーの違い
クラウドストレージとNASサーバーは、どちらもデータを保存するために使用されますが、それぞれに異なる特徴があります。
まず、クラウドストレージはインターネットを介してアクセス可能なオンラインのストレージです。クラウドストレージを利用することで、データを任意の場所からアクセスでき、複数のデバイスで同期できるため、便利です。また、データをバックアップするためにも使用できます。しかし、クラウドストレージは、月額または年額の料金が必要であることが多く、大容量のデータを保存するためには、高額な料金がかかることがあります。また、クラウドストレージに保存されたデータは、第三者によってアクセスされる可能性があるため、セキュリティ上の懸念があります。
一方、NASサーバーは、ネットワーク経由でアクセスできるストレージです。NASサーバーは、自宅やオフィスのローカルネットワークに接続することができ、複数のデバイスでデータを共有できます。また、NASサーバーは、ストレージとしての機能に加えて、プリンターやメディアサーバーなどの機能を提供することができます。一方で、NASサーバーは外付けHDDやクラウドストレージと比較して、初期投資や設定の手間がかかる場合があります。さらに、NASサーバーが故障した場合、自己修理が困難なため、修理に時間とお金がかかることがあります。
以上のように、クラウドストレージとNASサーバーにはそれぞれ特徴があります。どちらを選ぶかは、使用目的や予算などによって異なるでしょう。
NASサーバーの利用方法と選び方
NASサーバーの用途
NASサーバーは、個人用や小規模ビジネス向けのファイル共有やバックアップなど、様々な用途に利用されます。以下は、NASサーバーの主な用途です。
- ファイル共有:NASサーバーを使用することで、家庭内やオフィス内で複数のデバイスからファイルを共有できます。
- バックアップ:NASサーバーにデータを保存することで、PCやスマートフォンなどのデバイスのデータをバックアップできます。
- メディアストリーミング:NASサーバーに音楽や動画を保存することで、ネットワーク経由で複数のデバイスから再生することができます。
- セキュリティ:NASサーバーには、セキュリティ機能が搭載されている場合があります。これにより、データの保護や外部からの不正アクセスを防ぐことができます。
- クラウド連携:一部のNASサーバーは、クラウドストレージとの同期や連携を行うことができます。これにより、より広い範囲でのファイル共有やバックアップが可能になります。
NASサーバーの選び方
NASサーバーを選ぶ際には、以下の点に注意して選ぶことが重要です。
- データ量:必要なデータ量に合わせて、適切なストレージ容量を選びます。
- ネットワーク速度:NASサーバーの通信速度が重要であり、高速なLANポートやワイヤレス接続機能を備えたものが好ましいです。
- RAID構成:RAID構成を採用しているNASサーバーは、データ保護やバックアップに役立ちます。
- アプリケーションの豊富さ:NASメーカーが提供するアプリケーションによって、NASサーバーの機能や利便性が大きく変わります。
- セキュリティ:データ保護の観点から、セキュリティ機能を備えたNASサーバーを選ぶことが望ましいです。
- メーカーサポート:メーカーサポートが充実しているNASメーカーは、トラブル時に迅速な対応が期待できます。
これらのポイントを踏まえ、自分に合ったNASサーバーを選ぶことが大切です。
NASサーバーのセキュリティ対策
NASサーバーのセキュリティの重要性
NASサーバーには、重要なデータが保存されていることが多く、そのデータを不正にアクセスされたり、盗まれたりすることは極めて深刻な問題です。そのため、NASサーバーのセキュリティを確保することは非常に重要です。
NASサーバーのセキュリティ対策の方法
NASサーバーのセキュリティを確保するためには、以下の対策が必要です。
- パスワードの設定:強力なパスワードを設定し、定期的に変更することが必要です。
- ファイアウォールの設定:ファイアウォールを設定し、外部からの不正アクセスを防ぎます。
- SSL通信の導入:SSL通信を導入し、通信内容を暗号化してセキュリティを強化します。
- ファイルの暗号化:重要なデータは、ファイルの暗号化を行うことで、不正アクセスに備えます。
- ファームウェアの更新:最新のファームウェアに更新することで、セキュリティ上の脆弱性を解消できます。
- ユーザーアカウントの管理:必要なユーザーアカウントだけを作成し、不要なアカウントを削除することで、不正アクセスを防止します。
これらの対策を実施することで、NASサーバーのセキュリティを確保し、重要なデータを保護することができます。
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会社では法人向けモデルを使うべき理由
NASサーバーは、多くの場合、家庭で使用されることが多いストレージデバイスですが、企業でも使用されることがあります。しかし、会社でNASを導入する場合、一般的な家庭用モデルではなく、法人向けのモデルを使用することをお勧めします。
法人向けNASは、従業員のデータや重要な企業情報を保管することができます。データのセキュリティと信頼性が非常に高く、RAIDなどの冗長性機能が備わっているため、故障やデータ損失のリスクを最小限に抑えることができます。また、法人向けモデルは、ユーザーアカウントやグループ設定、アクセス制御など、より高度なセキュリティ機能を備えていることがあります。さらに、法人向けNASには、高速なファイル転送や大容量データの保存が可能なため、ビジネスに必要な処理速度を確保することができます。また、多くのモデルが拡張性に優れており、ストレージ容量を簡単に拡張することができます。これにより、将来的なストレージニーズにも柔軟に対応できます。
一方、家庭用モデルは、低コストで手軽に導入できるため、個人や家族で使用する分には十分な機能を備えています。しかし、会社で使用する場合、重要な情報を保管するためには十分な信頼性やセキュリティが必要です。そのため、会社でNASを導入する場合には、法人向けモデルを選ぶことが重要です。
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おすすめの法人向けNASサーバー
BUFFALO TeraStation
BUFFALO TeraStationは、BUFFALO社が製造・販売しているNASサーバーのシリーズ名です。TeraStationは、テラバイト単位の大容量データストレージを実現し、ビジネスや家庭でのデータ保管や共有、バックアップ、データ復旧などに利用されています。また、RAID機能によるデータ冗長化や、高度なセキュリティ機能も備えており、法人向けにはActive Directoryにも対応しています。
IODATA LAN DISK
IODATA LAN DISKは、アイ・オー・データ機器株式会社が製造・販売しているNASサーバーのシリーズです。LAN DISKは、ネットワーク経由でデータを共有することができる外付けHDDのような製品で、家庭やオフィスでのデータ共有やバックアップに利用されています。IODATA LAN DISKは、ユーザーフレンドリーな操作性やコストパフォーマンスの良さなどが特徴で、家庭や個人向けから中小企業向けまで、幅広いユーザー層から支持を得ています。
NASサーバーの今後の課題と将来性
NASサーバーの今後の課題としては、高速化や大容量化が挙げられます。特に、ビッグデータのような大量のデータを扱う場合には、高速なデータ転送や大容量のストレージが必要となります。また、セキュリティに関しても、不正アクセスやデータ漏洩の脅威が増大しているため、セキュリティ技術の進化が求められます。一方で、NASサーバーの将来性としては、クラウドとの連携やIoTとの連携が挙げられます。クラウドとの連携により、リモートアクセスやバックアップなどがより容易になり、IoTとの連携により、スマートホームなどの生活に密着したサービスの提供が可能になります。また、AI技術の発展により、NASサーバーの自己最適化やデータ解析なども可能になり、より高度な機能の提供が期待されます。
総じて、NASサーバーは今後も進化し続け、新たなニーズに応える高度なストレージソリューションとして、ますます重要性を増すことが予想されます。
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