法人向けルーターは個人向けと何が違う?
おすすめの機器も解説
法人向けルーターとは?
法人向けルーターとは、企業や団体などの組織向けに設計されたルーターで、高度なセキュリティ機能や拡張性、長期間の安定稼働など、企業や団体のニーズに合わせた設計がなされています。一般的な家庭用ルーターと比較すると、より高度な機能や信頼性が求められ、ビジネスにおいて欠かせないネットワークインフラストラクチャーの一部として使用されています。
新型コロナウイルスの流行に伴い、多くの企業で普及したテレワークやリモートワークの環境づくりに法人向けルーターに備わったVPN機能がよく使われました。弊社のお客様でも法人向けルーターを導入する会社様が増加しており、今でもVPNによるテレワークの環境づくりが盛んに行われています。
【比較表】法人向けルーターと個人向けルーターの違い
法人向けルーター | 個人向けルーター | |
セキュリティ面 | ファイアウォール、VPN、IDS/IPSなどのセキュリティ機能が標準装備 | 基本的なファイアウォール機能があるものの、高度な機能は限定的 |
機能面 | VPN、IPv6サポートなど、高度な機能が充実 | 基本的な機能が中心で、高度な機能は限定的 |
拡張性 | 拡張スロットがあり、オプションモジュールで機能を拡張できる | 拡張スロットがないため、機能の拡張が限定的 |
信頼性 | 長期間の安定稼働を前提に設計されており、冗長化機能が充実 | 安定稼働は前提だが、冗長化機能が限定的 |
サポート | エンタープライズ向けのサポートが充実 | コンシューマ向けのサポートが中心で、エンタープライズ向けのサポートは限定的 |
注意: 上記の表は一般的な傾向を表しており、すべての法人向けルーター・個人向けルーターが同じわけではありません。また、最新のルーターには上記に挙げた機能がどちらにも備わっている場合もあります。
セキュリティ面
一般的な個人向けルーターは、低価格で手軽に入手できるため、サイバー攻撃などの標的にされやすく、比較的脆弱なセキュリティ機能しか備えていません。一方で、法人向けルーターは、高度なセキュリティ機能を備えており、堅牢なセキュリティシステムを構築することができます。
具体的には、法人向けルーターは、ファイアウォールやVPN、IDS/IPS、アンチウイルス、スパムフィルタリングなどの高度なセキュリティ機能を備えていることが多いです。これにより、外部からの攻撃や不正アクセス、ウイルスやスパムメールなどからネットワークを守ることができます。
また、法人向けルーターは、認証や暗号化のための高度なプロトコルをサポートしています。これにより、データのやり取りや通信の秘匿性を確保することができます。
一方で、個人向けルーターは、比較的単純な認証方式や暗号化方式を採用していることが多く、セキュリティの脆弱性が指摘されています。また、多くの場合、管理者パスワードが設定されていなかったり、標準のパスワードで設定されていることが多く、外部からの攻撃に対して脆弱な状態となっています。
これらの違いから、法人向けルーターは、高度なセキュリティ機能を備え、企業や団体のネットワークを守るための堅牢なシステムを構築することができます。一方、個人向けルーターは、手軽に入手できるため、セキュリティの脆弱性が指摘されており、外部からの攻撃に対して注意が必要です。
拡張性
一般的な個人向けルーターは、VPN接続機能を備えていないことが多く、標準的な機能に限定されています。一方で、法人向けルーターは、VPN接続機能を備えており、複数の支店や拠点をつなぐVPN接続を構築することができます。
VPN接続は、インターネットを経由して仮想的なネットワークを構築し、セキュリティを強化するために利用されます。法人向けルーターは、複数のVPN接続を同時にサポートすることができるため、複数の拠点を効率的につなぐことができます。また、高度な認証方式や暗号化方式を採用していることが多く、より堅牢なセキュリティを提供することができます。まさにテレワーク向けの機能ですね。
さらに、法人向けルーターは、拡張性が高く、さまざまな機能を追加することができます。例えば、WANモジュールを追加することで、複数のインターネット回線を接続して帯域幅を増やすことができます。また、IDS/IPSやアンチウイルスなどのセキュリティ機能も拡張できます。
一方で、個人向けルーターは、VPN接続機能が備わっていないため、複数の拠点をつなぐことが難しく、拡張性も限定的です。
信頼性
一般的な個人向けルーターは、小規模で軽いネットワークトラフィックに適したデバイスであるため、信頼性が比較的低いと考えられます。一方で、法人向けルーターは、大規模なネットワークトラフィックに対応することができるため、高い信頼性を持っています。
法人向けルーターは、24時間365日稼働することが求められるため、耐久性が高く、運用に耐えうる設計となっています。また、ファームウェアやセキュリティパッチなどのアップデートが頻繁に行われ、最新の脅威に対応することができます。
一方、個人向けルーターは、低価格で手軽に購入できるため、信頼性が低い場合があります。また、セキュリティアップデートが頻繁に行われないことがあるため、脅威に対する対策が不十分な場合があります。これらの違いから、法人向けルーターは、大規模なネットワークトラフィックに対応するため、高い信頼性を持っています。一方、個人向けルーターは、低価格で手軽に購入できるため、信頼性には限界があるということが言えます。
サポート
法人向けルーターは、ビジネスにおいて欠かすことのできない機器であるため、サポートには高い要求が寄せられます。多くの場合、法人向けルーターは製品購入時に長期間の保証期間がついていたり、専門の技術サポートスタッフが対応してくれることがあります。また、製品の故障時には、修理や交換が行われる場合があります。さらに、法人向けルーターは、カスタマイズされた設定やネットワーク構成に対応するために、専門的なコンサルティングサービスを提供することもあります。
一方、個人向けルーターは、低価格で購入できるため、保証期間やサポートの提供範囲は限られている場合があります。一般的に、製品の保証期間は数ヶ月から1年程度であり、修理や交換は行われない場合があります。また、専門的な技術サポートに対応してくれる場合も限られていることが多いです。
VPNが使える法人向けルーターがおすすめ
これから先、また新型コロナウイルスのような緊急事態が起きないとは限りません。外出が難しくなると、もちろん出社もできなくなるため、事前にVPNのようなテレワーク環境の整備は今こそ必要だと思います。新型コロナウイルスがピークを迎えた頃、弊社に「急ぎでVPNでテレワークできるようにしてほしい」という問い合わせを大量にいただきました。しかし、ルーターの在庫が世の中全般で少なくなっていたり、大量の依頼に対してスタッフの人数不足による導入の遅れが発生してしまいました。
このような経験や理由を含めて、弊社では事前に法人向けルーターを導入しておくことを強くおすすめしています。
関連ページ:テレワーク環境構築ではたらき方を自由に
おすすめの法人向けルーターを紹介
弊社では、シェアが高く、信頼性の高いYAMAHA製の法人向けルーターをおすすめ、導入しています。
YAMAHA RTX1300
中規模オフィスや支店オフィスに最適な機能を備えています。高性能なVPN機能を搭載しており、外部からの不正アクセスや情報漏洩を防止するセキュリティ機能も充実しています。
また、最大300Mbpsの高速通信が可能であり、ネットワークの帯域幅の制限が少なく、大量のデータを高速で転送することができます。さらに、多彩な機能を柔軟にカスタマイズすることができるため、様々な業種やビジネス環境に適したネットワーク構成を構築することができます。
関連ページ:YAMAHA RTX1300
YAMAHA RTX1220
大規模なオフィスや支店オフィス向けに設計されており、高性能なVPN機能を備えています。これにより、外部からの不正アクセスや情報漏洩を防止することができます。
YAMAHA RTX1220は、最大で1Gbpsの高速通信を実現することができます。また、冗長化機能や負荷分散機能も搭載しており、高い信頼性を実現しています。さらに、多彩な機能を柔軟にカスタマイズすることができるため、様々な業種やビジネス環境に適したネットワーク構成を構築することができます。さらに、遠隔地からの管理が可能なため、オフィス間のネットワーク管理が容易になります。
関連ページ:YAMAHA RTX1220
YAMAHA RTX830
中規模のオフィスや支店オフィス向けに設計されており、高い拡張性と柔軟性を備えています。
最大で500Mbpsの高速通信を実現することができます。また、冗長化機能や負荷分散機能も搭載しており、高い信頼性を実現しています。さらに、多彩な機能を柔軟にカスタマイズすることができるため、様々な業種やビジネス環境に適したネットワーク構成を構築することができます。
VPN機能を標準搭載しており、外部からの不正アクセスや情報漏洩を防止することができます。さらに、専用の拡張スロットを備えているため、必要に応じてWANインターフェースやLANインターフェースを増設することができます。また、遠隔地からの管理が可能なため、オフィス間のネットワーク管理が容易になります。
関連ページ:YAMAHA RTX830
会社なら法人向けを使うのが得策
いかがでしたでしょうか?法人向けルーターは名前の通り、会社や組織で利用するために設計されたモデルです。個人向けルーターは手頃で、専門業者に頼まなくても個人で簡単に導入できるため、会社設立からずっと使い続けているという会社さんが意外と多く存在します。弊社が点検や環境調査でネットワークを見せていただくと10年前のルーターがひっそり動き続けているなんてことも少なくありません。最近では、個人向けのルーターを悪用したサイバー攻撃なども多くなりました。
関連ページ:家庭用ルーターが狙われている?不正に「乗っ取り」 されているかも?
もしも、この記事を見て「自分の会社のルーターは大丈夫なのか?」と思ったらお気軽にご連絡ください。弊社では、無料でネットワークの環境診断を行っています。あなたの会社のネットワークの問題点を見つけ出し、適切なアドバイスをいたします、お問い合わせお待ちしてます!